どうも、ねじまきです。
2024年12月~2025年1月前半の振り返りを。
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・印象に残った記事まとめ
最近の世界的トピックといえば、やはりロサンゼルスの山火事。
世界の山火事による森林消失は、ここ20年でおよそ2倍にも増加しているらしく、
その原因とメカニズムをわかりやすくまとめてくれている記事。
世界中で大きな山火事があったのは全然知らなかったな~
実はロサンゼルスといえば、僕にも火事の思い出があって。
・・・といっても実際に見たわけではなく、
雷の影響で火事が発生したため、
ヨシュア・ツリー国立講演へのキャンプを1日延期せざるを得なくなってしまったという思い出。
アメリカにはU2の『Joshua Tree』の風景を見たくていったようなものだったのに、当時行けなくなりそうでヒヤヒヤしたのを強烈に覚えている。
アメリカの火災は、電線の老朽化による漏電や、気候変動の影響、乾燥した空気による自然発火があったりで、火事はまたどこかで起こってもおかしくない状況。
誰も(お金持ちでさえも)災害からは逃れられないんだな、と改めて思う。
山火事は負の連鎖を生む。山火事が広大な森林を焼失させることでCO2が排出され、それによって気候変動が悪化し、結果的にさらなる山火事発生を助長するのだ。この悪循環が山火事の起こりやすさと気候変動の両方を加速させる。
とボヤいたのは、今の現場のとあるスタッフ。映画の都として有名なハリウッドではあるが、年々制作本数は減っている。今「ハリウッド」映画が撮られているのはほとんどアトランタとバンクーバーである。
それでもLAがLAたりえたのは、その華やかなイメージのお陰だ。温暖で住みやすい気候が人々をLAに引き寄せた。が、これだけ山火事が頻発し、今回のような大災害がこれからも定期的に起こるとなると、いよいよ映画人達がLAに住む理由がなくなってしまうのではないか。映画を撮影する実態もなく、ひょっとして今回の山火事はLAの、ハリウッドの終わりの始まりになってしまったのではなかろうか。映画業界は今大きなパラダイムシフトにあるのかもしれない。
ハリウッドの終焉は以前から何度も言われてきていることだけれど、
今回の山火事は割とクリティカルなのかも・・・。
こりゃあ5年後の映画業界も読めないね。。
・孤独なポップスターの音楽に聖性は宿る|Real Sound
それ以上に興味深いのは、こうしたタイプの楽曲が、リスナーの大きな支持を得る、時代を代表するポップソングになったことだ。これらの作品では、パーソナルな問題がスケールの大きな世界や宇宙、生や死をめぐる実存的問いや宗教的世界観に結びついている。また、アーティスト個人が、深い内省を、「捧げる」とさえ言えるような仕方でパブリックに示す態度によって、独特の聖性を纏う作品やパフォーマンスが増えているように見える。
現代の内省的なポップスに特徴的なのは、何より演奏するミュージシャンが孤独な個人であることを全面的に表現し、その個人的な孤独にリスナーも、個人として呼応し、向き合う点にある。
例えば50、60年代の「ロックの王様」、プレスリーや、80、90年代の大スター、マイケル・ジャクソンが、心身ともに不健康だったことは、今ではよく知られている。しかし当時は彼らがいかに目に見えて異常だったとしても、それをオーディエンスが「わかっている」ことはタブーだった。ところが2020年代現在、自分の不安、暗い願望、焦燥や孤独を歌うことは、むしろマジョリティの聴衆に求められている。
洗練されたポップスという現代的な形を取りつつ、「犠牲」を神聖視するという人類の古くからの心理に基づく「救い」に、インターネットを介して数百万、数千万の孤独な個人が与る。そのような時代に、あなたも私も生きている。
ビリー・アイリッシュの去年の新作はやっぱりすごかったけれど、
AdoやYOASOBIもその流れにちゃんと乗っている、というか
この現象はアメリカだけじゃないだろうなと。
・京都には“世界の全て”があった|どこでもいいからどこかへ行きたい|pha
鴨川で鴨や鷺や鳶やときには鹿を見たり、
高野川と賀茂川が合流する出町柳のデルタでピザを食べながらビールを飲んだり、
賀茂川の河原でジャンベを叩いて遊んだり、
糺の森の古本市をぶらぶら見て回ったり、
京都御所の玉砂利をじゃりじゃり踏みながら「今年の暑さは異常だ」とか思ったり…
いやーわかるな~みたいなことが書かれていて面白い。
多分この先僕は世界のどこに住んでも、その場所を京都と比べたり、その場所に京都と通じるものを見出したりしながら、ずっと暮らしていくのだろうと思う。
ヘミングウェイがパリを「移動祝祭日」と書いたけれど、
確かに京都も悪くないのよね。
・Scent Makes a Place - Nautilus (English)
In the late spring, the desert smells like chocolate.
という一節から、グッと引き込まれる科学エッセイ。
個人的に「匂い」には昔から執着みたいなものがあるので、
こういう文章を読めるのはほんとありがたいなと。
レイチェル・カーソンの自然が立ちこめる文章が好きな方はぜひとも。
・G7 と BRICS+ のGDPを比較したインフォグラフィック
色々思うことはあるけれど、5年後どうなってるのか、まったく予想がつかないやつ。
Art Of The Month
『マルホランドドライブ / デビッド・リンチ』
まさかのデビッド・リンチ監督の死。
僕が最後に姿をみたのはスピルバーグ監督の自伝映画『フェイブルマンズ』のラストで、カメオ出演していた姿。
ものの数分のシーンだったけれど、リンチ節が炸裂していて、まだまだ元気そうだった。
あと3,4作ぐらいは新作見られるもんだと思ってたので、もうこれ以上イカれた映画を見れないのかと思うととても残念・・・。
個人的にはやっぱり『ツインピークス』、『マルホランドドライブ』、『イレイザーヘッド』あたりが無難に好き。
まだ観れてない作品もあるので、
『ツインピークス』の続編あたりから見ていこうかなと。
映画の話題を続けてもう一つ。
・賛否両論のブルータリズム建築を大解説! いま再注目される理由、ブロイヤーやコルビュジエらの挑戦etc. | ARTnews JAPAN
1950年代から70年代にかけて流行した。ブルータリズム運動について詳しくまとめられていて良い記事だった。
A24の新作映画『ブルータリスト』も2月21日に公開予定なので、読んでおくといいかも。 (3時間半以上あると聞いて正直、尻込みしているけど、良さげではあるのよね)
Book Of The Month
「優しく雨ぞ降りしきる / レイ・ブラッドベリ」
もはやSFの古典ともいえる『火星年代記』の一編。
レイ・ブラッドベリが
広島の原爆報道からその着想を得て、核戦争後に人間不在のまま稼働し続ける全自動の家を描いたという短編。
カリフォルニアでの火事を描いていたり、AI的なものを当時から描いていたりで、今読むべき短編。
何とも言えないこの空気感、ブラッドベリにしか書けないやつだよね・・・。
・ロシアでアニメ化もされてるのを最近知った(原作とはちょっと違う感じだけど)
今月の一曲
『Green Light / Lorde』
ロードの2ndアルバムは当時もかなり騒がれた印象だったけれど、やっぱり今振り返ってみてもすごい。
ナイトライフや孤独、失恋を描いたコンセプトアルバム『メロドラマ』はとても新鮮だったし、ビリーアイリッシュにもかなり影響与えていると思う。
上にあげた「孤独なポップスターの音楽に聖性は宿る」の記事を読んで、
後に名曲「ソーラー・パワー」に繋がっていったのもなるほどなぁと。
(余談。ロードが勝間和代さんにそっくりだ、と言っても誰も共感してくれないけれど、みんなわかってくれるよね?)
ねじまきのあれこれ
書いたブログの振り返りなど。
・「人間生成コンテンツ」を今のうちにフォローして楽しんでおこうと思った話。
・ねじまきブログについて書いて頂いた記事 by 木本仮名太さん
☔あとがき☔
ロサンゼルスの大火事、Metaのファクトチェック廃止、Tiktokの禁止など相変わらず激動のアメリカ。
世界の平穏はいつ訪れるんでしょうか。
やがて優しく雨が降りしきり、火を鎮めてくれたらいいのに・・・。
2024年のLGBTQ+的な話題を振り返るドーナツレターを近日中に配信予定なので、
興味のある方はぜひ登録してみてください。
→ https://donutz.theletter.jp
はじめまして。ねじまきさんの幅広いネタのチョイスに共感したり、考えさせられたりしました。Podcastも聴かせていただき、好きなことに対する素直な雰囲気が素敵だなぁと。というわけで、これからも楽しみにしています。