どうも、ねじまきです。
かなり遅れての配信で、6月の振り返りか7月の話題かすらわからないけれど、
ここ1,2カ月で気になった記事を振り返っていきます。
今さらながら都知事選の話題。
僕がここで書きたいのは、ひろゆきさんのように、他者を「論破」する能力というのは、「有能さの証」ではない、ということです。エンタメとしては「爽快」なのかもしれないけれど。
「論破」というわかりやすさに対抗するにはどうしたらいいんだろう?
・新たな戦場は「人の脳」 ディープフェイクで対立あおり分断 国が不満や不公正を放置すれば「弱点」に:東京新聞 TOKYO Web -
世論の誘導を狙った「情報戦」は戦争の常とう手段で、デジタル技術の発達を背景にした認知戦はその一つ。実際にくすぶる社会問題や対立意識などについて、偽情報なども交えて大量にSNSに投稿するのが代表的な手法とされる。
米欧も認知戦への研究や対策を進めるが、日本では2022年の防衛白書で初めて認知戦という言葉が登場した段階。小泉氏は「仕掛けてくる側は、われわれの社会の公正さに疑問を抱かせるような火種を探し、利用する」と警鐘を鳴らす。
フェイクニュースを放置しておくことは、国家防衛の大きなリスクになるという話。
・・・なんかこういうとあれだけど、2chの毒を先に浴びていた層は、
騙され具合はまだマシな気がしている。
→ 2chのチンパンジーコピペとフェイクニュースのあれこれ
・勝手に住所を載せられた京アニ遺族「本当に、社会のため?」 実名報道だけでないマスコミからの二次被害
映画『ルックバック』も公開されたことだし、京アニ事件についても少し。
勇さんは「メディアには、伝えた先にその被害者や家族の生活にどう影響が出るか、誠実に考えてほしい」と指摘。情報をどこまで出すか、社会全体で議論されることを望む。
遺族の現住所を載せる必要があるのか、という話で、ほんとにそこまでするのは野次馬を呼ぶだけな気がしている。
先日大谷翔平の自宅が公開されてしまったことについてのマスコミの責任も大きいし(それこそこれも命に係わる話で) そろそろ報道したもん勝ち、な風潮は終わってほしい。
憎悪が増幅されるインターネット。自分は別にアンチもファンもそんなにいないけれど、発信する側としてこれは心に刻んでおきたいなと。
テレビで濱田岳の語ったエピソードを覚えている。
子役時代に(確か)蟹江敬三から「君に100人のファンがいたら、別の100人から憎まれてると思いなさい」というようなことを言われたそうだ。冷や水を浴びせられたような気がして、以来調子に乗ったことはしなくなったとかなんとか。
さらに僕なりに付け加えよう。「君の100人のファンはあっという間に君に飽きて、忘れるだろう。そして、君を憎んだ100人は、君を見るたびにその嫌悪感を思い出すだろう」
「アニメ的」「フィクションのよう」「舞台を見ている感覚」言葉はなんでもかまわないが、石丸氏は今回の選挙において最も大きな物語を語り、背負っていた一人であることは間違いない。
石丸氏がどうだということよりも、「切り抜かれた物語」が持つ影響力の凄まじさを見せつけられた選挙であり、そしてそれはネットが選挙を左右するようになるであろうこれからの政治においてとても重要な要因であると同時に危険な兆候でもあるような気がしてならないのである。
かつてはブログ文化なんかがそうだったように個人の物語に特化してそれを文学的に書き、共感を集めるようなコンテンツが多かったように記憶しているが、今はもう個人の物語はポジ出しやほめのびみたいな理屈によって規定されたり、炎上を恐れて思ったことをそのまま書けない時代となった。そうした環境の変化により個人の物語(ナラティブ)は表に出てこなくなり、どれだけ大きく、かつ正しい物語の中に自分を置くか、みたいな時代になった。
ブログ文化が盛り上がれば、全てが良くなるとは決して思わないけれど、
まともな議論ができる場所がインターネットにもう少し増えればいいなと思う。
お金にもならないけれど、僕自身こうやってニュースレターを書いて、個人の物語をたまに伝えられたら御の字だと思って、今も書いてます。
・民主主義に満足しているか?のインフォグラフィック
日本・アメリカはさておき、政治腐敗してそうなイメージのメキシコ・ブラジルが高いのと、スペインが低いのが意外。
ペルーは先日のあれこれもあって、仕方ないかな・・・。
ねじまきのあれこれ
書いたブログの振り返りなど。
・百年の孤独』に挫折しないための(自分のための)備忘録まとめ
・Apple Musicの「100ベストアルバム」について思うこと
・ニューヨークタイムズによる「21世紀のベスト本100冊」が発表。
個人サイトのランダムページを作りました。→ 「🎲を振ってみる」
今月の一曲
『2+2=5 / Radiohead』
レディオヘッドって意外と紹介したことなかったかも?
『1984年』の映画版を編集した動画で、
“二分間憎悪”のシーンもいい感じに写っている。
自由とは二足す二が四であると言える自由である。
その自由が認められるならば、他の自由はすべて後からついている。
Art Of The Month
インスタグラムで見つけた @simonbailly というアーティスト。
気候変動ネタ多し。
構図もすごいけど、コントラスト強めで特徴的な色使いが素敵。
📱あとがき📱
なるべくニュースレターは読んで楽しいものにしようと心掛けてはいるけれど、今回はまた重い話題が多くなってしまったなぁと。
”一分間憎悪”はもちろん、『1984年』のあれになぞらえた、Youtube Shortsのこと。
「切り抜き動画」というわかりやすさに対抗するには
どうすればいいんだろう? とずっと考える一カ月だった。
アメリカの大統領選も加熱してきているけれど、
”憎悪キャンペーン”を、アメリカ国民の手で終わらせられるかがやっぱり見どころだと思う。
ただ、SNS害悪論を唱える人は多いけれど、
そもそも候補者自身が切り抜き動画やSNSに力を入れているので、
全く見ないのはまた話が違うかな、と個人的には思ってはいる。
SNSにはまだまだ良い情報はたくさんあるし、
お酒と同じように、良い距離感をもった付き合い方をしていきたいなと。
そういう意味で、このニュースレターはTwitterには書けないあれこれをまとめて放流できる(そして誰かが確かに受け取ってくれる)ので、ありがたいなと思うばかり。
次回の「すぐ消えるレター」は月末配信予定。(楽しい配信にしたいな)
国内・海外のニュースレターを紹介する「Fine Letter.」もそろそろまとめたいなと。