どうも、ねじまきです。いまさらのようやくのニュースレター配信。
2024年5月の印象に残った出来事ををざっくり振り返ろうかと。
・人間による人間のためのキュレーションがアルゴリズムからの避難所となる | WIRED.jp
アルゴリズムが効きまくっているSNSから、グループチャットやメッセンジャーアプリに移行するユーザーが増えているとのこと。
「人は人から“おすすめ”を受け取るべき」というのもホントそうだよねと思うし、
ニュースレターはそういう流れでさらにメジャーなものになるかも?
アルゴリズムのない領域へ逃亡しても、完璧な情報フィードをめぐる戦いは終わらない。
(以前もこういう記事紹介した気がするけれど)
今の時代だからこそ、みんな、ニュースレターとかブログやりません??
・「死」とは何か――生命の最も偉大な謎に迫る特別展 Death: Life's Greatest Mystery
「死体の臭い」を嗅げる、ということで話題になっていた、
カナダ最大の博物館ことロイヤルオンタリオミュージアムでの死についての展示。
はてなブログで現地の様子をみつけたので軽く紹介。
死は1つのことばで定義できるものではなく、どの学問の見地に立つかによっても、国や地域差、宗教や文化の差によっても異なるもので、いわば、死は解釈次第であるという考え方は大変おもしろかったです。
日本画の『九相図』の話も興味深かった。
仏教が流行した鎌倉時代から江戸時代では、修行僧などの若い男性は九相図を見て自身の色欲と断絶していたのです。あまりにも残酷すぎる絵の内容に、吐き出してしまう僧もいたといいます。
ちなみに、この展示の中にはなかったけど、カナダは安楽死を合法化している国である。生命倫理の視点から読み解いたら、次は何が見えてくるだろう。
「死」のテーマに続けて。
月間チャレンジ、6月のテーマは「死」。
ほぼ毎日有名人の死亡記事を読んでたりします。
ビリーアイリッシュはそれほどファンじゃなかったけれど、
映画『バービー』の主題歌あたりからけっこう気に入っている。
最新作のインタビューを読むと流石だな、という感じ。
「ひとつの曲だけが孤立してしまうのは耐えられない」
これについてフィニアスは、「誰かのアルバムの世界に放り出される感覚が大好きです」と口を開き、「最初から最後まで自分の好きなものだけが詰まったアルバムに出会うと、心の底から嬉しくなります。『このアルバムを聴きながら夕食の支度ができるなんて、マジで最高かよ!』という気分になるのです」と語った。
アルバムを聴くという行為は昨今においては下火である、と私は指摘した。実際、ほとんどの若い子たちはアルバム全体ではなく、曲単位で音楽を聴いているのだ。これについてフィニアスは、「聴く対象は、曲全体でさえなくなっています」と言い、「たとえば2回目のヴァースがTikTokでバズったと言うように、僕らは一時間前に誰かが作ったコンテンツを上から下へと消費しているのです」と続けた。
今回のアルバム、わりとキャリアハイなんじゃないかと思うぐらい全体の構成が良い。
アデルもテイラーもビヨンセも、「今がベストじゃん」
というアルバムをぼんぼん出してくるからほんとにすごいよね。
・ピクサーから解雇された人によるアニメーション業界の現状 (Enlish)
「It’s not just Pixar — The animation industry is failing us.」というタイトルの通り、
ピクサーのみならず、米国アニメ業界全体についての話も。
「ポリコレによってディズニーは台無しになった」とよく言われるけれど、
コロナ禍が浮き彫りにした、ほんとうの意味での「政治」と「お金」の問題だという話。
ストリーミングはやっぱり業界にとってよくないのかな・・・。
こういう背景を知ると、そういう意味での縛りは少ない日本のアニメや漫画が人気になる理由も理解できるし、実際に最近は配信がめちゃ増えている気がする。
・・・ただ、
『インサイドヘッド2』はすごく評判がいいので、8月に誰かと見に行く予定です。(ドリカムが挿入されていないといいけれど)
Movies are long. Records are long. What happened? - Vox (English)
映画や音楽が長くなってきていることに対するコラム。
色々理由はあるけれど、ストリーミング配信のおかげで、短く切り詰めようとする”古い”プロデューサーの力が弱まっていることも理由の一つだそうで。
(さっき↑で悪く書いたところだけどこいういう良い面もあるみたい)
最適な映画やアルバムの長さって、いったいどれが正解なんでしょうね~
個人的に好きな映画は100分から130分の間ぐらい。
『異人たち』とか短めで良かったな。
・アジアがたんばく源としての摂取割合が世界一
・南米より北米の方が肉の消費が多いのが意外。(ウルグアイとかアルゼンチンとかあるのに)
・ヨーロッパの乳製品の消費割合すごい
・アフリカは意外と肉を食べていない
どこまで精度あるデータかわからないけど、面白かった。
今月の一曲
『Lunch / ビリー・アイリッシュ』
冒頭の”I could eat that girl for lunch”とクィアな歌詞が話題になっていたり、
音が新しいのにレトロなPVというのもとても良い。
(柴田聡子の「Side Step」とめっちゃ雰囲気似てるよね・・・)
NYのリスパもそうだけど、広報戦略も含めて、全部が全部最先端ですごい。
今プロモーションで東京なう、なんだっけ。京都の村上隆展を見に来るという噂も。
・リオデジャネイロでのマドンナのライブ
160万人を動員したとされる、マドンナの無料ライブ@リオデジャネイロ。
とんでもない人数が集まったけれど、無事終わってよかったなという感想。
Rioでカウチサーフィンで泊めてもらっていた家族にひさびさに連絡すると、
やっぱりこの話題でもちきりで、みんな見に行ってたみたい。
現地の動画などを見てると、とりあえず人が多すぎるけどめっちゃ楽しそう・・・。
今月の一冊
今月末に発売予定の文庫版『百年の孤独』にむけて肩ならしに。
インタビュー集や短編をいくつかしか読んだことなかったのと、
それこそ「百年の孤独」を読み通すのに挫折してしまったこともあって、
若干の苦手意識があった。
けれど、この中短篇集はわりと楽しく読めてる。
特に『エレンディラ』は『この世で一番美しい水死体』『大佐に手紙はこない』あたりは好みだった。
すると男たちはついにかっとなり、海を漂ってきた こんな死体に、身元も知れない水死者に、くそいまい ましい土左衛門に、なんで大騒ぎするんだと悪態をつい た。
そのあまりに思いやりのない言い方に心を痛めた女 のひとりが、遺体の顔から布を取り去ると、男たちも思わず息を呑んだ。
「この世で一番美しい水死体」より
火事の責任を取らせるために、娘エレンディラを売る畜生ばあちゃんの話。
「最後に雨が降ってから、じきに二十年になるね」と祖母は言った。「あれはとんでもない嵐だったよ、雨水に 海の水が混じって吹き込むほどでね、朝になったら家中が魚やら貝やらでいっぱいだった。
お前の死んだお祖父 さんのアマディスなんて、おっきなエイがきらきら光りながら空を飛んでいるのを見たんだから」「エレンディラ」より
こんな感じで、
行ったこともないコロンビアの風景がありありと浮かぶような読書体験。
文庫版『百年の孤独』への再挑戦も楽しみになってきたな。
ねじまきのあれこれ
ブログの振り返りなど。
個人サイトのランダムページを作りました。→ 「🎲を振ってみる」
Art Of Month
ダンサー、ミュージシャン、プログラマーなど色んな活動をされている
nouseskouことKou Yamamotoさん のインスタグラム。
何気ない京都駅の通行人も、こんな感じに。
🌮あとがき🥪
読者限定のニュースレターも月末ごろ配信予定なので、
まだねじまき通信に未登録の方はぜひ登録してみてください。
また後日BookStackで詳細をお伝えしますが、
6月26日より『百年の孤独』が文庫化されるのを記念して、
発売日から一カ月、オンライン読書会を行う予定です。
積読している方も含め(私です) 、お気軽にどうぞ。
そして6月はプライド月間。Happy Pride! 🏳️🌈